生野菜とグリーンスムージーの違い

日本人は昔からたくさんの葉野菜を食べてきた文化がありますし、諸外国と比べても野菜を積極的に食べている民族と言えます。
だから、葉野菜をわざわざすりつぶして食べることの有用性が今ひとつ良くわからないと感じる人もいるかもしれません。
野菜を摂取すれば良いのなら、何もわざわざグリーンスムージーにしなくてもそのまま食べればいいのでは?と考えるのは自然なことですよね。
グリーンスムージーにすると何がどう変わるのか、そのへんのメカニズムを調べてみましょう。
・なかなか手ごわい植物栄養素
野菜は言わずもがな、植物ですよね。
植物には人間にとってもとても有用な天然の化学物質が存在していて、ファイトケミカルとか、フィトケミカルなどと呼ばれています。
これら野菜の栄養素を得る時に、熱を通したほうが良いとか、熱を通してはいけないとか、油と混ぜたほうが良いとか、さまざまな意見が飛び交っています。
これはどれも正しい部分もあり、間違った部分もあります。
というのも、植物栄養素にはいろいろな種類があり、火を通さなければほとんど吸収出来ないものもあれば、逆に火のせいで壊れてしまうものもあるからです。
そして、栄養素を摂取するのに大きな障害となるのが、細胞壁の存在です。
・細胞壁はこわすべき
どのような食べ方をするにせよ、植物の細胞に備わっている細胞壁を壊さないと中の栄養素を効率的に摂取することが出来ません。
理科で習ったと思いますが、動物の細胞にはこの細胞壁が無いため動物性の栄養素は比較的吸収しやすくなっています。
植物はこの鉄壁のバリケードをもって、地球上で脈々と子孫を繁栄させてきた歴史があります。
研究者によると、人間が食べた植物の量からすると、約60%の栄養素は吸収出来すに排泄されてしまうという説もありますから、一生懸命野菜を食べてもなかなか有効量には達しません。
栄養の摂取効率を上げるには、細胞壁を壊す必要があるのです。
・生でありながら細胞壁を崩すスムージー

火を使った調理では、オイルを合わせることで脂溶性ビタミンなどの吸収率を上げるのが正解で、生で食する場合には、ブレンダーなどで細胞壁を徹底的に壊すのが正解なのです。
生で食べることで繊維を得たり食感を得るメリットもありますので、サラダにするならグリーンスムージーには向かない種類の野菜を利用すると良いでしょう。
こうした工夫をすることで、野菜の摂取方法がグンと効率的になり、調理のバリエーションも一気に広がるのです。